建設業許可の肝とも言える経管と専技がいなくなったら

経営業務の管理責任者、略して経管。

専任技術者、略して専技。

建設業許可を受けている方なら知らないはずがない、重要な役職です。

きっと、許可を取るときには、この経管や専技を認めてもらうための書類集めに奔走したはずです。

建設業許可を受けるためには建設業者としての一定の経営経験を持つ経管や、資格や実務経験を有した専技の配置が義務付けられており、これは許可を取得するための要件でもあります。

これらの重要な役職が欠けてしまった場合、これに代わる者が社内に存在しない場合には、許可を維持することはできません。

それでも小さな会社などにおいては急に他界されてしまったり、退職されてしまったりとこういったことが起こることは大いにあり得るわけで、代わりの方がいらっしゃらないことも多いはず。

そんな時、どんな判断をするべきなのか、考えてみましょう。

まずは代役となりうる者がいないかを再確認

現在就任している経管や専技の方が何らかの理由にて抜けてしまうとしても、これに代わる方が在籍しているのであれば、変更すれば良いだけのこと。

弊所にてご相談をいただいた案件においても、意外と要件を満たせてたなんていうことも少なくなかったりします。

経管で言えば、現状は正社員として働いてもらっているけれども、実は過去に倒産した会社の役員だった!とか、個人事業者として活動をしていた期間があった人がいた!とか。

また、専技で言えば、実は資格を保有している従業員の方がいた!なんてことや、掘り下げてみるとこれまでの実務経験が10年以上あるなんてことも多いものです。

更には工業高校などを卒業されている従業員さんだと実務経験期間が短縮できたりするので、意外とクリアしてしまったりすることもあります。

急な他界や、バックレなどのある日突然いなくなってしまう場合には、それまでに在籍している方の中から要件を満たせる方を探さなくてはなりませんが、将来的に退職されるなどの場合では、新たに従業者として入社していただくなどの手もありますから、まずは探ってみることが賢明ではないでしょうか。

それでもどうにもならなければ素直に自ら許可を取消しましょう

経営業務の管理責任者や専任技術者が何らかの事情により不在となり、同様の経験や資格などをお持ちの代役となるだけの方が在籍していない場合、残念ながら建設業許可の要件を満たしません。

要件を満たしていないのですから、許可を維持することは認められません。

しかしながら、要件を満たせなくなったからと言って、目に見える形ですぐに許可が取り上げられてしまうわけではありません。

これ故に、要件を満たせていないにも関わらず、許可を受けているものとして日々のお仕事や契約をされているケースも少なくないようです。

でも、これは超危険な行為。

こういった事情に迫られてしまった場合、とっても大事なのは自社より行政機関に申告し、許可を取消(実際には廃業)すること。

廃業と言っても建設業者を廃業しなさいということではなく、建設業許可を返納??するようなイメージです。

要件を満たせなくなったから建設業許可業者は辞めて、建設業者として活動しますと言ったようなものです。

要件が満たせなくなったことを自ら申告して許可を失ったケースにおいては、また要件が満たせるようになれば許可申請をすることができます。

一時的に許可業者を語れなくはなりますが、これは仕方がないと割り切るしかないのです。

一番最悪!バレて建設業許可を取消されてしまった場合は重いペナルティが

要件を満たせなくなったら許可は失効。これは何度も記載している通りです。

にも関わらず経管や専技が在籍しているかの如く、申告もせずに許可業者として活動を続けるとどうなるのか。

前述もしておりますが、建設業許可を監督する行政機関だって数多くある建設業許可業者が要件を満たしているのか常に監視しているわけではありません。現実的に無理でしょう。

しかし、ひょんなことがきっかけで監査が入ったり、事実が知れたりすることはありうるわけで、そんな時、要件を満たしていないことが判明すれば許可は取り消されることになります。

取消されたらまた、取ればいいじゃん。

ここが自ら申告して許可を廃業した場合との大きな違い。

一度、許可を取消されてしまったら5年は許可が取れないと思っていただいて良いと思います。

許可を取消された上に、要件を満たせる状態となっても許可が取れない。

これでは目も当てられません。

結局は会社のコンプライアンスへの意識に尽きる

建設業許可を失うと500万円以上の工事を請け負うことはできなくなります。

また、近年では大手の会社などの下請や孫請などにてお仕事をされている会社さんだと、請負金額の大小に関わらず許可の有無を問われることも多いようです。

そうなると、建設業者として順風満帆な活躍は難しくなるでしょう。

ちょっと、大げさかもしれませんが「建設業許可を失ったらウチは倒産だ!」って場合でも、要件を満たせなくなれば許可は失効します。

だから、普段から万一のリスクに備えた人員配置を求められるわけです。

小規模の会社さんだと人件費などの問題もあって、なかなか簡単にはいかないのかもしれませんが、早い段階から何か策は無いのかを考えておく必要があるということです。

少人数にて運営されている会社さんは早い段階にて役所や行政書士にご相談してみてはいかがですか?

弊所でも顧問契約の中にこれらの管理を含める項目も設けておりますから、少しは安心していただけるのではないでしょうか。

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