建設業許可の手続きで言う解体工事業とは
解体工事と言えば、大きな重機でドカ~ン、バキバキと豪快なイメージがあります。
家とかビルとかを取り壊すものもあれば、建物の中をくり貫くような工事とかも良く見かけますよね。
庭先や大型駐車場のフェンスやブロック塀、金属製のカーポートやガレージなんかを重機を使って取り壊しているのも見かけます。
これらの工事を請け負っているのはやはり「解体工事業者」さんが多いようです。
一般的な建設会社さんだと、鉄骨建物などを取り壊せる機械は恐らく持っていないでしょうから、やはり建物などを解体するのは解体業者が請負うことが必然です。
しかし、見た目がどれだけ解体工事であっても、建設業許可における工事業種(許可業種)としては必ず解体工事業かと言うとちょっと違います。
意外と面倒な解体工事の分類や考え方を見ていきましょう。
やってることは解体工事でも内容仕上工事業
近年増えている大型ショッピングモールなどのテナントが集合した商業施設などに多く見られる形態の解体工事。
比較的大きめの機械などを用いてみるみるうちに店舗を跡形もなく解体してしまいますから、はたから見れば解体工事以外の何物でもありません。
結構な広範囲を丸裸にしてしまうような工事もあるようですからね。
でも、こういった工事は一般的に内装仕上工事業に分類されます。
取り壊しているのに内装”仕上”工事っておかしいじゃん!
確かにそうなのですが、分類上はこうなります。
内装仕上工事業の範疇にて建築されたものを取り壊す解体は内装仕上工事業
考え方として内装仕上工事業として施工された部分や物を取り壊す場合には、同様の業種に分類される決まりです。
だから、ショッピングモールなどで店舗毎のスケルトン工事などは一般的に内装仕上工事業に該当するわけです。
同様の考え方にて例えば、大型カーポートや外構フェンスなどを根こそぎ取り壊す場合にはとび土工工事業。
お風呂場やトイレなんかを取り壊す場合には管工事業といった具合に、それぞれの専門工事の範疇にて解体工事が行われる扱いです。
「一般的に」と書いたのは、具体的な工事の内容によって判断が異なることが多いからです。
こういった細かな判断が面倒だったりするのですが、少なからず専門工事で請け負ったものを解体する際には、その専門工事の許可業種にて行うことになるので覚えておきましょう。
建設業許可でいう解体工事業とは建物を取り壊すことが大前提
では解体工事って何なのか??
建設業許可における解体工事は建物一棟を解体して更地に戻すような工事を言っています。
構造物を取り壊して更地にする場合とも言っていますから、先述の大型カーポートなんかもその形や規模によっては解体工事に該当する場合もあるのかもしれません。(普通はとび土工工事業かと思いますが、最近では建造物に類似する立派なガレージなどもあるようですので。)
いずれにせよ、部分的に解体したり、一部を残したりする工事では無く、丸々取り壊して更地にする工事。
これが解体工事です。
※ 建築一式工事にて建築された建物などを一式取り壊すのは正しく解体工事であり、これが中心となります。
許可業種の認識違いによる違法請負には注意が必要
勘の良い方はもうお気付きかと思いますが、解体工事を専門に請け負っておられる場合でも、その内容によっては別の工事業種に該当している可能性も否めません。
建設業許可は500万円以上の工事を請け負う際には、該当する許可業種にて許可を受け、工事を請け負わなくてはなりません。
大掛かりで請負金額が高額な解体工事が実は内装仕上工事業に該当する内容だったら、これは内装仕上工事業にて許可を受けている必要が出てくるわけです。
ですから、一棟建ての解体工事ばかりを請け負っているわけではない解体工事業者さんについては、請負金額とその内容についてはくれぐれも注意していただきたいところです。
許可業種違いを避けるためにも取れる許可業種は全て取る!
弊所では許可取得のご依頼をいただく際には、資格をお持ちの方がいらっしゃらないかを細かく確認するようにしています。
建設業許可を申請する際に必要となる手数料は1回いくらの考え方です。
従って、まとめて複数の許可業種を取るのも、一つだけを取るのも基本的には金額は一緒。
だったらまとめて取りたいものです。
そして、不要と思われる許可業種も、意外な時に役に立ったりするものです。
せっかく建設業許可を持っているのに業種違いによって違法請負にならないよう、取れるものは取ってしまいましょう!
もっとも、500万円を絶対に超えないということであればそもそも許可は不要ですから、気にする必要もありませんが。
安心して請け負う為にも建設業許可は絶対プロに任せた方が良い!
取れる許可は取ってしまえと言われても、初挑戦の方、慣れていない方にはなんのこっちゃでしょう。
しかも調べている時間も勿体ないし、調べたからと言ってうまくできる保証は全くありません。
建設業許可ってただ取るだけでも意外と複雑で添付書類も多くて大変です。
だったら任せていただきたいですね。
会社の現状として取れるものは全て取ることがやはり必須です。
更新許可からお付き合いをさせていただく会社さんで、何故、最初から取らなかったのかというケースも多く見かけるようになってます。
後日、業種追加申請をしなくてはならないことを考えたら、行政書士に支払う費用なんて簡単にペイできちゃいます。
是非是非、安心して請け負える体制を整えてくださいね!