建設業許可を受けた会社の役員などが犯罪を犯すと欠格要件に該当する
建設業許可を新規で申請するとき、様々な要件を調べたり、専門家に相談したりと、自分の会社が建設業許可業者としてふさわしい体制を整えるべく、丹念な準備に精を出されたことでしょう。
その時、「欠格要件」というものにもしっかりと目を光らせたはず。
欠格要件とは端的に言えば、法で決められている欠格要件条項に該当する場合にはその時点で許可を諦めてくださいというもの。
どんなに大きな会社でも、資産が潤沢な会社でも、欠格要件に該当すれば許可を受けることはできません。
建設業許可に初めて挑戦される際などでは許可が取れなくては困ると、色々なことにアンテナを張り巡らせていたにも関わらず、一度、許可を手にしてしまうとこの辺りの意識が随分と低下してしまうようで時折、嫌なご相談や情報を耳にします。
そうならないためにも、特に会社の代表者さんはこのページをしっかりと読んで、頭の片隅に叩き込んでおきましょう。
圧倒的に多いのが暴力事件による罰金刑
他のサイトなどでも欠格要件については説明がされているので、欠格事由の一覧を記することはしません。
様々な方が在籍される建設業界において、様々な手続きのサポートをさせていただいていると、悪い話も沢山聞こえてくるものです。
中でも圧倒的に多いのが、暴力事件を起こし、後に起訴され最終的には罰金刑というケース。
罰金刑は懲役刑などと異なり収監はされません。
逮捕後も比較的早々に生活への復帰を果たすことから自動車のスピード違反(青切符)の感覚でおられる方もいらっしゃるようですが、建設業許可にとっては大ごとです。
確かに罰金を支払うことでいわゆる「罪を償った」ことにはなるものと思いますが、建設業許可における欠格事由をわかりやすく書いてみると「建設業法は勿論のこと、その他一定の法律に違反して罰金刑を受けてそこから満5年を経過していない者」とされています。
つまりは既に役員となっている方が罰金刑などを受けてしまうとその時点で欠格事由への該当となり、許可を維持することができなくなってしまうのです。
ちょっとしたケンカや相手をどつくなどの行為も時には命取り
前述の罰金刑、話を聞くとそのほとんどが注意が足りなかったといわざるを得ない内容であると考えています。
- (1)若造が欠勤や遅刻が多いので一発くれてやった
- (2)危ない作業をふざけていたのでついつい手が出てしまった
- (3)イラッとして相手をどついてしまった
- (4)酔っぱらってケンカしてしまった
正直、このような内容またはこれに類似する内容が圧倒的に多いように感じます。
中でも前者の2つに関して言えば、昔の建設業界では新人教育の一環として決して珍しい光景ではないと聞きますし、3つ目だって本人としては暴力と思っていないことだってありえます。
しかし、これらが原因で現行犯は勿論ですが、後に告訴などをされ、逮捕されれば許可を失う可能性がグッと高まるということを知っておいてください。
更生した優秀な社員を取締役として迎えるにも最新の注意を
ちょっと角度が違うかもしれませんが、こちらも意外と多いケースですのでご紹介します。
会社の従業員などとして雇用し、とても優秀で真面目で、仕事を任せるだけの能力があるからと是非会社の役員として従事してもらいたいと取締役などに安易に入れてしまうケースがあります。
勿論、取締役となることで経営者の一員として会社のために貢献してもらおうといった意気込みや狙いは間違ったものではありません。
しかし、どんなに優秀な人材でも欠格要件に該当している者を取締役としてしまっては許可自体を失うことになりますから要注意です。
更生して今はとても真面目な人材でも、経歴について嘘を言い、詐称していることだって考えられるわけで、しっかりと見抜く必要があるでしょう。
過去の犯罪歴を調べる方法はあるのか??
結論から申し上げて、ありません。
本人以外の者が過去の犯罪歴などを調べることはまず無理だということです。裁判所の話では本人でも過去の犯罪歴を開示してもらうことはできないとか。
これらの情報は公安委員会が保存しているとのことで、新規や更新などの許可申請時に管轄する窓口において、公安委員会に照会をかけることで判明します。
ですから一般人である我々が他人の犯罪歴を調べる方法はありません。
こんな時代ですからもしかしたら過去のニュースなどがサイトなどに残っているかもしれませんが、こういったものをあてにすることくらいしか方法がないのです。
5年以上の付き合いの無いものを取締役などに就任させる際には身体検査も必要
他の者が過去の犯罪歴などを調べる方法が無い以上、本人の申告に委ねるしかありません。
しかし、欠格事由該当してしまっていては大ごとになってしまうわけで、見過ごすこともできません。
そんな時、良く耳にする方法が過去に犯罪歴があり、収監をされていた方については、当然ながらその期間の職歴などが存在しませんから、過去5年間の履歴書を提出させ、その情報について裏を取ってみる方法もあながち間違えではないと考えます。
結局は、欠格要件に該当した際には許可が取り消しとなり大ごとになる旨をしっかりと説明し、自ら事実を述べさせることが最善の方法であることは言うまでもありませんが。
要注意!許可を取り消された会社では役員にも欠格事由が及ぶことも
許可が取り消されてしまった場合、現在、有効であった建設業許可を失うことは言うまでもありませんが、イタイのはその会社においては今後5年間、許可を受けることができなくなってしまうといった点です。
正直、公共工事や公共性の高い大規模工事を手掛けている会社にとっては命取りでしょう。
また、近年では民間工事においても非常に厳しい管理がなされているようで、建設業許可を有しない業者については取引が停止などといったことも聞きます。
更に、許可を取り消された際に在籍していた取締役などの役員について、全ての者が欠格要件に該当している者として取り扱われることになる悲惨なケースもあります。
これには過去の犯罪歴などだけでなく、建設業許可申請における虚偽申請などの処理がなされることによって、最悪な事態を招くことになるのですが、そうなると会社だけでなく、現在のメンバーの全てが許可を受けることができません。
欠格要件に該当してしまった際のペナルティについては「建設業許可が取消に!全ての取締役が欠格要件の対象者!?」にてもう少し踏み込んで記載しておりますので、気になる方は続けてご覧ください。