建設業許可を受けた後に許可業種を増やす場合の手続き
一言で建設業許可と言っても全部で29の許可業種に分けられておりますので、自社で請負う工事内容と照らし合わせて許可業種を選択し、これに見合った技術者等を配置した上で新規許可を受けるわけです。
しかし、事業拡大などによって、既に受けている許可業種だけでは足りなくなることもあるでしょう。
また、新規許可の際には他の要件が満たせずに最低限の許可業種で許可を受けるなんてケースもあるかと思います。
このように、既に受けている建設業許可業種に新たな許可業種を追加したい場合には、業種追加の許可申請を行うことになります。
業種追加申請では添付書類を一部省略できるものもあるが残高証明には要注意
既に許可を受けている状態なので、一部の申請書類については省略をすることが認められております。
とは言っても、省略を認めている主なものとして決算関連書面や納税証明書、定款、経管や専任技術者の常勤性を証明する書類などが挙げられますが、決算関連書面は毎年提出が必要な決算変更届がしっかりと出されていることが前提ですし、登録済の技術者等の常勤性証明は省略できるものの、業種追加をする際には新たな技術者を擁立することが一般的ですから結局、常勤性証明だって必要となります。
従って、大きく省略ができるかというとそこまで楽ができるようなものではありませんので、あまり期待せずに、基本的には新規許可申請の時と同様の書面を整えることになるものと思っていれば気が楽でしょう。
ただ、その中でも特に一般建設業許可を受けて業種追加をする際の大注意点を挙げます。
業種追加申請の場合には新規許可申請の際に求められる財産的基礎・金銭的信用の要件の免除を受けることができるのですが、それは新規許可を受けてから満5年を迎えている場合の話。
つまりは最低でも1回は許可の更新をしている場合の話となります。
これに該当しない場合、新規許可を受けてまだ1度も更新許可を受けていない場合には、財産的基礎・金銭的信用の要件が適用となるため、最新の決算書にて純資産500万円以上又は、直近の残高証明書において500万円以上の資金確保を証明しなければなりません。
業種追加の手引きなどを見て書類を準備すると、残高証明書などの項目が省略可能などとなっていることが多いのですが、あくまでも許可を受けて5年以上を経過している場合に限定されますからくれぐれもご注意ください。
業種追加申請にて許可を受けた許可業種の有効期限と有効期限の調整について
業種追加申請において改めて許可を受けると、業種追加した許可業種のみが建設業許可通知書(許可証のようなもの)に印字されて手渡されます。
これは業種追加した業種に対して直近の日付で許可が出たことを通知する書面であり、許可日より満5年間の許可の期限が付されています。
業種追加の場合には既に受けている建設業許可がありますから、この時に許可期限が2つあることになります。
これに気付いておかしいと思う方もいらっしゃるようですが、業種追加にて受けた許可業種の有効期限と既に持っている許可業種の有効期限は全くの別物ですので、原則論を申し上げれば、それぞれの有効期限に則って更新などの手続きに当たってくださいと言うことです。
しかし、これでは管理が超面倒ですし、更新の際には更新手数料がかかりますから困りものですから、許可の有効期限を揃えたいと考えるのが一般的でしょう。
ご安心ください。既に受けている許可の中で一番早くに有効期限を迎える許可の更新の際に、許可の有効期限を全て揃える手続きがあります。
手続きっていうほどではないのですが、とにかく最初に迎える更新の際に許可を揃えたい旨を伝えればOKです。
これで後から受けた許可業種も全ての有効期限が揃いますので管理もやりやすくなりますね。
だったら許可の段階で揃えてよって話なのですが、制度上、それはできません。
文句は国や県に言いましょう。
ちなみに許可番号は変わりませんから営業所に飾ってある許可業票は無駄にはなりませんよ^^
決算変更届やその他の変更届が出ていないと受理されない可能性も
毎年の提出義務がある決算変更届や、各種変更事項が生じた際に提出することになる変更届が提出されていない場合には、業種追加許可申請自体を受け付けてもらえない場合や、先に遅滞している手続きについて始末書を付けた上で手続きを取るよう指示されることがあります。
建設業許可を維持していくためにはとても重要となる手続きですから、もしも提出を遅れてしまっているものがあれば急ぎ提出が必要ですし、今後はそのようなことが無いよう努めていただきたいと願うばかりです。
今回の内容は業種追加申請ですが、更新許可申請の際にも同様のことが言えます。
更新許可が受け付けてもらえないと結局は許可を失効し大変なことになるのは容易に想像がつきます。
単に手続きと甘く考えずにきちっと処理するようにしましょう。