建設業許可通知書はとっても重要な許可取得ツール
知事許可や大臣許可、各都道府県などの取扱いによっても異なりますが、建設業許可を新規にて取得する際、様々な証明書類をかき集めて添付しなくてはなりません。
書類の作成はもとより、この証明書類の準備がとっても大変で、中には集めきれずに断念された方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、これらの大変な作業、許可を受けた際の建設業許可通知書によって救われることがもしかしたらあるかもしれません。
現在、雇われで取締役をされている方には垂涎、もしかしたら単なる従業員としてお勤めの方にとっても、いつか役に立つ情報かと思います。
今回は、そんな建設業許可通知書のお話です。
建設業許可通知書とはいわゆる許可証のようなもの
建設業許可を受けた者は、国土交通省令により建設業票の掲示をしなくてはなりません。
これは許可を受けた際に行政庁から発行されたり、プレゼントされたりするものではなく自社にて用意するものです。
許可というと何かしらの許可書が発行されて、それを事務所とかに掲示するといったイメージが強いですが、建設業許可に関してはこのようなルールです。
従って、「許可証」というものはありません。
ただ、許可が下りた際に行政庁より発行される建設業許可通知書と呼ばれるものは存在します。
大抵の方はこれを許可証と呼んでいらっしゃるようです。
厳密には許可証ではありませんが、許可証として扱うことに異論はありません。
ちなみに役所の方にどんなに頭を下げても、再発行は絶対にされない書類です。
気を付けましょう。
建設業許可通知書での経験証明はとっても効率的
通常、建設業を経営していましたという「経営者」としての経験証明は、個人事業の経験であれば確定申告書や所得証明書、法人での経営(役員)経験であれば登記簿謄本にて行われます。
これらに加え、本当に建設業を営んでいたか否かの裏付けとして、当時の請負契約書や注文書などの添付を求められることが一般的です。
しかしこれが厄介で、自社での経験であれば過去の書類をかき集めて何とかなることも多いですが、退職した会社での経営(役員)経験ともなれば、現在の社長や役員の方などにわざわざ頭を下げに行って当時の書類をお借りしてなんて面倒なことになります。
直近ではなく古い時期のものをとなれば、かなりの確率で諦めモード炸裂でしょう。
ましてや、あまり良好な辞め方をされていない場合には本当に致命的です。
そんな時、手元にあると一気に道が切り開かれる、そんな魔法の書面が建設業許可通知書なのです。
建設業許可通知書は過去の契約書や注文書の代用書面として使用可
個人事業であれ法人であれ、経営者としての経験を積んだ会社で建設業許可を受けていたのであれば、当時の建設業許可通知書にて、本来用意すべき請負契約書や注文書の代用書面として用いることが可能です。
個人事業の場合には確定申告書のコピー+建設業許可通知書のコピー、法人の場合には登記簿謄本+建設業許可通知書のコピーといった具合です。
本当に書類をかき集める手間が省けますから、この方法が使えるならおススメです。
特にどこかの会社での経営(役員)経験が長くあり、新たに所属した会社や独立した会社(個人事業を含む)にて早速、許可を取りたい!という場合。
わざわざ過去の注文書などを用意していただく必要もありません。
建設業許可通知書のコピー1枚があれば、証明書類としてこと足りてしまうのです。
役員経験が2枚の許可期間に跨ぐ場合には両方が必要だから要注意
建設業許可における許可要件では経営経験が最低でも5年以上必要。
建設業許可の有効期間が満5年ですから、許可を受けた時から切れた時(又は更新した時)までずっと役員として就任していたのであれば問題ありませんが、許可期限の途中から役員として就任している場合には少なからず2枚以上の許可期間に分かれているはずです。
そうなると許可通知書はその期間分が必要ということになりますから気を付けましょう。
ちなみに退職した会社の協力が得られる場合においても、許可通知書を紛失している場合には結構痛手です。
有効期間内であれば管轄する行政庁より許可証明書というものを発行してもらうことができますが、期限が切れているものは発行されません。
某自治体では独自のデータベースにて確認ができればそれで認めるなんていう超やさしいところもあるようなのですが、我々のお膝元である群馬県、埼玉県、栃木県ではこの手は使えません。
当時の建設業許可通知書をどのように入手するかがポイント??
他の要件もありますが、少なからず経営者経験を証明するためには建設業許可通知書は効果てき面です。
登記簿謄本は原則、公開ですから、辞めた会社のものでも簡単に取得することができます。
当時の建設業許可通知書さえあれば、経営者としての経験を証明できてしまうということになります。
しかし、問題は当時の建設業許可通知書が自分の手元にあるのか否か。
結構、大きなポイントです。
取締役在任中に許可通知書のコピーは取っておくべき??
自分が役員として、経営者の立場として在任している期間においては許可を受けた際の通知書のコピーを保管することは概ね問題ないように感じます。
そう考えると在任中に許可通知書のコピーは取得しておくべきなのかもしれません。
建設業許可通知書のコピーがあれば、当時の注文書などのコピーを探してもらう必要もありませんし、そもそも、貰う必要がありません。
ただ、コンプライアンス上、結局は他社の書面ということになりますから承諾無しにとなるとちょっと、疑義ありかもしれません。
しかし、仲違いしクビになった会社から書面を交付していただくことは至難の業。
手元にさえあれば、あとは口頭での説明だけで済む場合もあるのかも。
今回は、将来、許可取得を考えた際に、手間を少なくするためのご案内です。
色々とあるかとは思いますが、そこは良くご検討の上、自己判断で。